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子供のいない夫婦

子どもがいない場合は、残された遺産は、配偶者と親、または兄弟で分け合うことになります。すべての遺産を配偶者が取得できるようにしたいのであれば、遺言書を作成しておくことが望ましいです。




もしも遺言書がないとこうなる!

<トラブルモデルケース>

花子は、40年前に甲野次郎と知り合い結婚。
お互いの仕事も忙しく子どもは作れなかったものの、若い頃一生懸命に働いたおかげで、老後は、経済的な心配もなく、悠々自適の生活をするつもりだった。
しかし、余生をゆっくり過ごすつもりが、若い頃の無理がたたり、甲野次郎は、定年後、まもなく、病気で死去。

甲野次郎の両親はすでに亡くなっており、兄弟は、兄と二人の弟がいる。兄弟のうち、兄はすでに亡くなっており、一人息子の甥が跡を継いでいるものの、甲野次郎・花子夫妻とは疎遠で、最近は一度も会ったことがない。

老後に備えて新居を構えたばかりであるが、土地建物の登記名義人は、甲野次郎になっており、預貯金の多くも、甲野次郎名義になっている。

葬儀も滞りなく終わり、甲野花子は、夫と二人で過ごすつもりだった新居に、一人で暮らすため、土地建物や預貯金を甲野花子名義に書き換えるつもりでいた。

そのことについては、葬儀の際に、二人の弟も了承済みであった。

心配なのは、兄の甥。
葬儀の際にも連絡したものの、仕事が忙しいという理由で、香典を送ってくるだけであった。
ほとんどあったことがない甥だし、気にはしていなかったものの、最近は、生活が苦しそうで、借金を抱えているらしいことを人づてに聞いていた・・・

司法書士や銀行に土地建物や預貯金の名義書き換えをお願いしたところ、二人の弟と兄の甥に相続放棄の承諾書を書いてもらわなければならないといわれた。

早速、郵送で、二人の弟と甥に書類を送ったところ、二人の弟からは、すぐに返信があったものの、兄の甥からはいつまでも、連絡がない。

ある日、気になって電話してみたところ、

「ああ?相続放棄?冗談じゃない!おじさんの財産は、俺ももらう権利があるんだ!」

そして、自分は、甲野次郎に如何にかわいがってもらっていたかということをくどくどと述べた上で、相続放棄には同意しないと言ってくる。

困り果てた花子は、二人の弟にも、説得を頼んだものの、甥は逆上するばかり。

「次郎おじさんはきっとおれに財産を譲りたいと思っているよ!」

仕方なく、いくばくかの財産を甥にだけ譲ろうとしたところ、今度は、二人の弟(特に嫁)も、

「もらう権利があるのに甥にだけやるのは不公平だ!」

と言い出す始末。


結局・・・

花子は、二人の弟と兄の甥との話し合いにより、甲野次郎名義の預貯金の大半を二人の弟と兄の甥に譲らざるを得なくなりました。

そして、まもなく、この騒動で疲れ果てた、花子は病気で入院したりして、お金に困まるようになり、夫と二人で余生を過ごすつもりだった新居を売却するしかありませんでした・・・



参考条文
第二章 相続人
(相続に関する胎児の権利能力)
第八百八十六条  胎児は、相続については、既に生まれたものとみなす。
2  前項の規定は、胎児が死体で生まれたときは、適用しない。

(子及びその代襲者等の相続権)
第八百八十七条  被相続人の子は、相続人となる。
2  被相続人の子が、相続の開始以前に死亡したとき、又は第八百九十一条の規定に該当し、若しくは廃除によって、その相続権を失ったときは、その者の子がこれを代襲して相続人となる。ただし、被相続人の直系卑属でない者は、この限りでない。
3  前項の規定は、代襲者が、相続の開始以前に死亡し、又は第八百九十一条の規定に該当し、若しくは廃除によって、その代襲相続権を失った場合について準用する。

(直系尊属及び兄弟姉妹の相続権)
第八百八十九条  次に掲げる者は、第八百八十七条の規定により相続人となるべき者がない場合には、次に掲げる順序の順位に従って相続人となる。
一  被相続人の直系尊属。ただし、親等の異なる者の間では、その近い者を先にする。
二  被相続人の兄弟姉妹
2  第八百八十七条第二項の規定は、前項第二号の場合について準用する。

(配偶者の相続権)
第八百九十条  被相続人の配偶者は、常に相続人となる。この場合において、第八百八十七条又は前条の規定により相続人となるべき者があるときは、その者と同順位とする。



こうならないようにしたければ!

甲野次郎さんは、おそらく、病気で急死するとは思っていなかったのでしょう。
しかし、いくら元気でも、定年を過ぎたら、いつ死んでもおかしくないと思って、死後のことを考えるようにしたいものです。

甲野次郎さんは、遺言書を作成して、自分が死亡した場合は、財産のすべてを花子に譲ると書いておくべきでした。
そうすれば、花子さんが、わざわざ、疎遠な甥に相続放棄の承諾書を書いてもらう必要はなかったのです。

そして、花子さんも、同様に、遺言書を書いておくようにしたいものです。
花子さんにわずかな財産しかない場合であっても、法定相続の場合は、花子の親や兄弟にも権利が発生するため、一人一人に、相続放棄の承諾書を書いてもらわなければならなくなります。
わずかな財産のために、手間をかけるのは面倒ですよね。

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