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内縁の妻がいる場合


内縁の妻とは、事情があって婚姻届が出されていない事実上の妻のことです。基本的に、何年同居していても相続人としての権利はありません。確実に財産を内縁の妻に渡したいのであれば、遺言書を作成しておくようにしましょう。



もしも遺言書がないとこうなる!

<トラブルモデルケース>

丙野太郎にとって、気がかりなことは、妻甲野秋子と結婚しなかったことであった。
相手に不倫された上で離婚したという共通の傷を持っていることがきっかけで、知り合った二人は、なんとなく同棲を始めて以来、20年以上にわたって、同じ家で暮らし続けていた。
姓が違うということ以外、他の人から見れば二人は、本物の夫婦にしか見えなかった。

丙野太郎は、多少法律のことを知っており、内縁関係の場合は、相続財産を内縁の妻に相続させることは難しいということは知っていた。
もしも、自分が死亡した場合は、自分の財産は、今は、全く会うこともなくなった先妻の娘たちに受け継がれることになる。
娘たちにうらみはない。
しかし、長年一緒に暮らしてきた甲野秋子に財産が全くわたらないのでは、これから先、甲野秋子が苦労する。
第一、このマンションは、丙野太郎の名義になっており、自分が死ねばめぼしい財産は、マンションしかないのであるから、娘たちが相続してしまうことになる。
そうなると、甲野秋子はマンションを出て行かなければならなくなる。他に身寄りのない甲野秋子は、確実に路頭に迷ってしまう。
しかし、甲野秋子は、法律のことは疎く、いまさら、正式な結婚をする気もないらしく、丙野太郎は困り果ててしまった。

遺言書を書くのもいいが、まだ、50代なのに遺言書とは縁起が悪いし、ためらいを感じてしまう。

一番確実なのは、正式に結婚することなのだが・・・


そう心配しているうちに、最期は突然やってきた。

寒い冬の朝、丙野太郎は、バイクで会社に通勤する途中、誤って、凍結した路上で転倒してしまい、全身を強く打って、そのまま帰らぬ人となったのである。


葬儀は、甲野秋子ただ一人で行うつもりでいたところ、丙野太郎の娘に電話すると、すぐにやってきた。

甲野秋子にとって、丙野太郎の娘に会うのはこれが初めてのことである。

両親の離婚の理由を知らない丙野太郎の娘は、一方的に甲野秋子がパパを奪ったと思い込んでいるらしく、

「あんたがいなければ、パパはこんな死に方をしなかった!」

と、甲野秋子を責める一方であった。

甲野秋子が冷静に話そうとしても、話し合いにはならず、ついには、

「正式に結婚してもいない女が口出しするな!」

といい、マンションから出て行けとわめくばかりである。

甲野秋子は、自分は、ずっと夫婦みたいに生活していたのだから、いまさらこのマンションを出て行くわけには行かないと主張。
しかし、丙野太郎の娘は、弁護士まで巻き込んで、立ち退きを要求。

「内縁関係と言っても、介護していたわけでもないでしょ。ただの同棲だよね。」

弁護士に、そう諭されて、甲野秋子は仕方なく、なじみ親しんだマンションを出て行くしかなかったのである。



参考条文
第二章 相続人
(相続に関する胎児の権利能力)
第八百八十六条  胎児は、相続については、既に生まれたものとみなす。
2  前項の規定は、胎児が死体で生まれたときは、適用しない。

(子及びその代襲者等の相続権)
第八百八十七条  被相続人の子は、相続人となる。
2  被相続人の子が、相続の開始以前に死亡したとき、又は第八百九十一条の規定に該当し、若しくは廃除によって、その相続権を失ったときは、その者の子がこれを代襲して相続人となる。ただし、被相続人の直系卑属でない者は、この限りでない。
3  前項の規定は、代襲者が、相続の開始以前に死亡し、又は第八百九十一条の規定に該当し、若しくは廃除によって、その代襲相続権を失った場合について準用する。

(直系尊属及び兄弟姉妹の相続権)
第八百八十九条  次に掲げる者は、第八百八十七条の規定により相続人となるべき者がない場合には、次に掲げる順序の順位に従って相続人となる。
一  被相続人の直系尊属。ただし、親等の異なる者の間では、その近い者を先にする。
二  被相続人の兄弟姉妹
2  第八百八十七条第二項の規定は、前項第二号の場合について準用する。

(配偶者の相続権)
第八百九十条  被相続人の配偶者は、常に相続人となる。この場合において、第八百八十七条又は前条の規定により相続人となるべき者があるときは、その者と同順位とする。



こうならないようにしたければ!

丙野太郎さんは、甲野秋子と内縁関係にあるものの、正式に結婚していないために、財産を相続させることができませんでした。
このようなケースを避けるために一番よい方法は、婚姻届を出して結婚しておくことです。
正式に結婚していれば、たとえ、1日しか正式な夫婦でなかったとしても、妻の秋子に財産を相続させることができます。

もう一つの方法は、遺言書を書いておくということです。
いくら若くても、人はいつ死ぬか分からないもの。不慮の事故で突然なくなってしまうということは珍しくありません。
内縁関係にこだわるのであれば、婚姻届の代わりに遺言書を書いておく。という意識を持つ必要があります。最低でも、60過ぎたら遺言書を書くべきです。

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